「生成AIでわたし診断アプリをつくろう」ワークショップ開催レポート(2025年度)

プログラミング未経験者でも生成AI(Claude)を使ってアプリ制作を体験できるワークショップ「1DAYデータサイエンス|生成AIで『わたし診断アプリ』をつくろう」を開催しました。
本記事では、参加者がAIと対話しながらアイデアを形にしていった当日の様子や、そこから得られたリアルな気づきをレポートします。

ワークショップの概要と当日の流れ

本ワークショップは、自分自身の日常データをもとに自己分析を行う「わたし診断アプリ」の制作を通じて、データやAIの仕組みを体験的に学ぶプログラムです。当日の分析素材として、参加者の皆様には専用ツールを用いて事前に約1週間分の日記や気分を記録していただきました。

イベント専用の日記記録ツール

当日は以下の流れで進行しました。

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午前:座学

データサイエンスや生成AIの基礎、AIへの効果的な指示(プロンプト)の考え方を学習

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午後:生成AI活用体験

グループに分かれ、アプリの内容や結果の見せ方などをディスカッション。その後、生成AI「Claude」を使って実際にアプリを制作

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夕方:プレゼンテーション

完成したアプリの発表会

参加者アンケート結果

今回のワークショップには、高校生から会社員、公務員、個人事業主など、幅広いご職業や年代の方々にご参加いただきました。データサイエンスに関する実務経験については、全員が「無い」と回答。参加動機としては「生成AIやデータサイエンスへの興味」が最も多く、皆さんの高い関心がうかがえました。

また、参加者の100%が生成AI活用体験に「とても満足」「満足」と回答し、内容についても全員が「よく理解できた」「ある程度理解できた」と回答したことからわかるように、ワークショップは大盛況となりました。

さらに、参加後には全員が「データサイエンスへの興味が高まった」「今後のイベントにも参加したい」と回答しており、プログラミングの専門知識がなくても、生成AIというツールを通じてデータ活用の面白さや可能性を肌で感じていただけたことがわかります。

制作事例

当日は多様なアイデアが飛び交い、「広島愛測定クイズ」や、遠距離夫婦のための共有日記アプリ「ふたりごと」など、様々なジャンルの診断アプリが形になりました。今回は、数あるチームの中から、特徴的な2つのチームの成果をピックアップしてご紹介します。

 事例1:女子高生が自由な発想で作った「キラキラJK診断」

女子高生2人組のチームは、AIとやり取りをしながら「キラキラJK診断」という本格的なアプリを完成させました。
15個の質問に答えると、「カフェ姫」「なごみん」といったキャラクター診断が行われるだけでなく、長所、恋愛タイプ、似合うスタイル、おすすめの勉強法まで、AIが分析してくれます。診断した友達同士の相性をパーセンテージでチェックできる機能まで実装され、自由な発想力と生成AIのパワーが見事に融合した作品となりました。

このアプリは、期間限定で実際にWEB上で公開されました。(※現在は公開終了)
実際の診断画面を一部ご紹介します。

参加者の声:AIへの「言語化」の難しさと将来への意欲

このチームの高校生からは、AIを使う上でのリアルな難しさと、将来の進路につながる頼もしい感想が寄せられました。

どんな診断を作るか、どんなプロンプトで行うかを話し合うことが1番面白かったです。しかし、実現させたいことを言語化するのがとても難しく、AIが理解してくれるようにするには『言語化する能力』がこれからは大切なのだとわかりました。将来に向けて言語化する能力と発想力が大切になっていくことが知れて、自分のデータサイエンティストになりたいという夢に1歩近づけたと思いました。(高校1年生 S.Yさん)

出たさまざまなアイデアをどう形にするか、生成AIにどんな指示をしたら自分たちの理想に近づけられるかをグループで話し合いながら進めました。生成AIに指示を出す上で、文章力や表現力がすごく重要になると実感しました。もともとデータサイエンスに少し興味がありましたが、今はデータサイエンス系の学部に進学したいと思っています。(高校2年生 K.Mさん)


 事例2:IT初心者が挑戦「きょう、どこ行く?」診断アプリ

また別のチームでは、「女性がこんな気分の時に行きたい場所、きょう、どこ行く?」をテーマにしたアプリを制作しました。

メンバーの一人、西宮さんは、ChatGPTを使ったことがあるが、普段はWordやExcel程度しか使わない「IT初心者」だと言います。イベント案内にあった「プログラミング経験不要、AIに初めて触れる方でも安心」というフレーズを見て、「ITやプログラミングを勉強したことはなく不安もあるけど、これなら私にもできるかもしれない」と思い参加を決意したそうです。西宮さんは、後日開催された「WiDS HIROSHIMA シンポジウム」にも登壇し、この時の体験を詳しく語ってくれました。

西宮さんの登壇の様子

アプリの作成プロセスは、生成AIに「アプリを作成したい」と入力するところからスタート。次に「年齢別・なりたい気分・使える時間別」といった条件を入力してひな形を作り、さらに「移動方法・誰と行くか・行きたいエリア」を追加。最後に「女性が興味を持つ題名や丸っぽいフォント、背景」を文章で指示するだけで、どんどんアプリの形が完成していったと言います。

AIを意図した通りに使う難しさや気づきもありました。「現在地からの移動可能時間を目安にエリア検索をしたかったが、現在地の設定が難しく、できなかった点は残念でした」と西宮さん。一方で、同じグループのメンバーがAIに対して「不足情報があれば指摘してください」と文末に一言添えたことで、AI側から質問や提案をしてくれるようになり、AIとの対話のコツを学んだというエピソードも披露してくれました。

西宮さんが作成した登壇資料より

西宮さんはシンポジウムの場で、「固定観念に縛られず、ちょっとしたひらめきやびっくりするようなアイデアが良いアプリの形につながる」ということ、そして「生成AIが出した答えをそのまま信じすぎない(鵜呑みにしない)という姿勢も大切」だと語り、これから新しい技術に触れる人々に向けて次のような力強いエールを送りました。

未経験な分野に挑戦するのは不安もありますが、少し興味がある・なんとなく気になると思ったことに、思い切って踏み出してみる大切さを強く感じました。未経験でも初心者でも、まずは小さな一歩を踏み出すことで、思わぬ可能性が広がることがあります。(西宮 沙織さん)


オンライン・会場共に、ご参加いただいた皆さま誠にありがとうございました。
私たちは今後も、ワークショップやシンポジウムイベントを通じて、「データやAIを味方につけて、新しい価値を創造できる人材」の育成を支援していきたいと考えています。次回のイベントにも、ぜひ気軽にご参加ください!

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